在宅医療

在宅診療とは、通院が困難な人や、余生を病院ではなく住み慣れた自宅で過ごしたいと願う人のために、自宅を訪問して行う診療のことをさします。かつては多くの人が自宅で最期を迎えていましたが、その後医療技術の発達や医療機関の整備などにより、実に8割の人が病院で最期を迎えるようになりました。今までは治らなかった病気が治るようになったのは喜ばしいことなのですが、長生きする人が増えたことによる医療増大のリスクや病床数の不足が懸念されています。政府(厚生労働省)もそれらの問題を解消するために在宅診療を推進しており、大病院ばかりでなく地域のいわゆる町医者にも在宅診療の担い手になることが期待されています。在宅診療では認知症、がん、脳梗塞や寝たきりの患者様のケアなど、幅広く患者様をサポートすることにより、すべての人のQOL(quality of life)の向上に努めます。

在宅診療の種類

当院では、以下の4種類の在宅診療を行います。

がん末期の診療

がんが末期になり、治療方法が万策尽きたと知らされたとき、最後の時を自宅で過ごしたいと思う方は少なくないはずです。現在は癌の痛みを和らげる技術も発達しており、週に1~2回の在宅医療を受けるだけでも、亡くなる直前まで穏やかに日常生活を送ることが可能です。自己負担額は入院した場合より安くなります。

寝たきりの患者さま

当院では寝たきりや準寝たきり(完全に寝たきりというわけではないが、一人で来院するのが不可能な患者様)の方の診療を行っています。たとえ体が寝たきりでも、ご本人様が希望する介護を受けることが出来れば、それは人間としての尊厳を保つことに繋がり、患者様のQOLも向上します。

在宅酸素療法

在宅酸素療法とは、体調事態に大きな変化が見られないものの、酸素の吸引が不十分な患者様に対して行う治療の一つです。ある程度自分の身の回りのことが自分でできるようになり、職場への復帰も期待できる優れた治療方法です。治療の際には自宅で酸素供給装置を使い、酸素を吸引します。最近は移動に便利なポータブルタイプも登場しており、酸素吸引をしながら外出や旅行を楽しむことが出来ます。一定の条件を満たした場合は健康保険適用の対象となります。

在宅お看取り

人間、出来ることならば最期はなじみのない病院などではなく、住み慣れた家で迎えたいものです。近年は医師や看護師が必要に応じて駆けつけてくれる環境も整ってきており、在宅で亡くなることは病院で亡くなること以上に理想的なものになりつつあります。当クリニックでは最期まで、患者様とそのご家族に寄り添う医療を提供しております。

その他、在宅医療・在宅診療について様々な対応が可能です。在宅診療を希望される患者さまやご家族は、当クリニックまでご相談くださいませ。

在宅診療のしくみ

在宅医療にはチームワークが不可欠です。在宅診療においても各施設との連携を行っており、患者さまかかりつけの訪問介護ステーションや訪問看護士・ケアマネージャー・薬剤師の方々と連携し、患者様の症状や情報を共有することで在宅患者さまをクリニックの外でもしっかりと支えます。