アレルギー科
アレルギーとは、本来は体を守るための免疫反応が、花粉やほこりなどに対して過剰に反応しすぎる状態のことをさし、アレルギーの原因となる物質をアレルゲンと呼びます。アレルゲンには卵や穀物などの身近な食物や植物の花粉、動物、ほこりやダニなどのハウスダストなどさまざまです。これらのアレルギーの原因は詳しくは分かっていませんが、日本を含む先進国でアレルギーが急増していることは確かです。アレルギー疾患と診断された血縁者にはアレルギー疾患が多いことがわかっています。ただし、遺伝以外にも食生活や衛生状態など、患者さまの環境要因に引き起こされるアレルギーも多いです。
気管支喘息
気管支喘息とは、空気の通り道である気管支が炎症を起こし、ゼーゼーという喘鳴を伴った呼吸困難を発症する病気のことです。必ずしもアレルギー体質の人だけがかかるものではなく、化粧品や公害、感染症などが原因となることもあります。ただ、アレルギー体質の人の方がかかりやすいことも確かです。好発年齢は1歳~5歳ですが、近年は成人した後に発症することも増えています。症状は小発作、中発作、大発作の3種類に分けられます。大発作の時には呼吸困難、起坐呼吸(寝ると呼吸が苦しくなり、座ると楽になる)が著しく現れるほか、チアノーゼが現れることがあります。また、症状は24時間常にあるわけではなく、ストレスや時間帯によって出たり出なかったりします。アレルギーの原因となるハウスダストやほこりを除去するなど、生活環境から症状の悪化につながりそうな要因を取り除くことにより、発作をある程度防ぐことが出来ます。
アレルギー性鼻炎や花粉症
アレルギー性鼻炎は、鼻粘膜で反応が現れる疾患です。ハウスダストや花粉、カビ、犬や猫の毛が原因となります。これらの原因となる物質(抗原)が鼻に入ると、粘膜の抗体がアレルギー反応を起こし、くしゃみや鼻づまり、鼻のかゆみといった症状を引き起こします。アレルギー性鼻炎には季節性アレルギー鼻炎と通年性アレルギー鼻炎があります。スギ花粉症は季節性アレルギー鼻炎の1種であり、春から夏にかけて症状が現れます。
アレルギー症状改善のために
アレルギーの症状を改善するためには、一にも二にもアレルギーの原因となっているものとの接触を断つのが一番です。たとえば、アレルギー性鼻炎の場合はハウスダストが主な抗原なのですから、この抗原を断つ必要があります。カーペットやマットを使うのはやめてフローリングにしてください。また、こまめに掃除を行い、室内の花粉やハウスダストを除去することも重要です。食物性アレルギーの場合は、加熱すると抗原性が低下します。また、同じ食べ物ばかり食べているとその食品に対するアレルギー反応が起こりやすくなりますので、食事はなるべくローテーションさせるようにしましょう。かつてはアレルギーの原因となる食物は除去するのが基本でしたが、最近はアレルギーの原因となる食物を摂取する治療もあります。